国内の通信関連設備の受注低迷も痛手

紗ですが日立が3日に発表した15年4~12月期の営業利益は4083億円と前年同期比4%伸びた。
だが中国や新興国の経済環境が想定以上に減速しているため、通期では6300億円と2%の減少が避けられない。
これまでは6%増と見込んでいた。
新興国でのプラント設備や建機、北米向けのストレージが振るわない。
中国のインフラ需要の低迷で油圧ショベルが苦戦しているうえ、資源国での新規プロジェクトが遅延。
原油安で価格交渉が進まず、引当金を計上せざるを得ない。
このため人員削減や不採算事業撤退を加速する。
これらの構造改革にかかる費用はざっと800億円で昨年10月末時点の計画より5割かさむ。
パナソニックの今期の営業利益は4100億円の見通し。
前期より7%増えるが、従来予想より少なくなる。
要因は新興国での販売鈍化。
特に中国でエアコン、パソコン用2次電池の 落ち込みが大きい。
河井英明専務は最近の2~3カ月で経営環境が厳しくなっていると顔をしかめる。
8兆円を見込んでいた売上高は7兆5500億円と前期比2%減少。
創業100周年の19年3月期に10兆円を目指していたが再検討が避けられない情勢だ。
富士通は米アップルの減産のあおりを受ける。
スマートフォン向け半導体の受注生産が減り、営業減益幅が想定より大きくなる。
国内の通信関連設備の受注低迷も痛手だ。
田中達也社長は来期も厳しめにみていると話す。